出会いを祈り、恋愛成就を願う――。最近、伊勢神宮や京都の地主神社といった“スピリチュアルスポット”を詣でる三十歳前後の女性が増えている。箱根の九頭龍神社周辺のホテルでは竜の化身とされるタイ料理などをあしらった恋愛成就宿泊プランも登場、予約が殺到しているという。
出版社に勤めるA子さん。「藤原紀香の結婚に続きたい」と、三十歳になるのを機に一人で伊勢神宮に参拝した。まだパートナーは見つかっていないが「真剣に結婚や出会いを考えるいいきっかけになった」と語る。
三十歳前後の女性十一万人が登録するインターネットサイト「オズトラベル」では、「恋に効く」として箱根の九頭龍神社で毎月十三日に行われる月次祭(つきなみさい)の参拝プランを打ち出した。反応は上々。神社に向かう芦ノ湖の参拝船乗り場にはグループや一人旅風の女性たちが列をなし、多い時は三時間待ちにもなるという。
就職活動ならぬ、結婚のための「婚活」に励む男女が増えているという。内定取り消しが相次ぐなど先の見えない時代だけに、最後は神頼みといったところか。(礼)
日経新聞より